牧師
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牧師室より


信夫教会月報 信夫の光
2024 年 2 月 18 日発行(2月号)の転載です

 昔読んだ本や TV をもう一度見たいというのはよくある話。
「アルプスの少女ハイジ」が放送されたのは、小学 5 年生の時でしたか。1974 年放送ですので、そのぐらいですかね。
小学校の低学年はあまりアニメなどは見ておらず、再放送でやっていたものが記憶にある程度。
そうそう、小学校の入学前の健康診断か何かで「TV は何を見ているの?」と聞かれて「ニュース」と答えたのも記憶に残っていますね。
チャンネル権は父親が持っていて、父親が戻ってくるまでは TV は禁止。当時はまだ高級品だったからでしょうね。そして父親が戻ってきて最初に見るのがニュースだったので、実はニュース以外の番組があることを知らなかったのでした。
 アルプスの少女ハイジは、特に記憶に残っているアニメで、社会人になった後で LD(レーザーディスク)での販売が始まるのを知って購入したほど。
本体もまだ高く 20 万円ほどしたような記憶があります。LD も高くて、4 話入りの 1 枚が 12,800 円だったと思います。2 か月に 1 枚の発行だったので、後半は 9,800 円に下がっていました。
 クリスチャンになって、また見る機会があり「そういえば原作は読んだことはないな」と思い出し、翻訳本を購入して読みました。
 原作は信仰熱心な少女として書いてあり、ハイジの信仰に触れて周りの人たちも信仰を取り戻すという流れになっていました。
 近年、当時の製作を振り返った本が出版され、これを購入しました。アニメの「アルプスの少女ハイジ」はズイヨー映像の製作ですが、製作は宮崎駿さんと高畑勲さんのコンビで製作されており、実際にアルプスまで取材に行ったんだとか。アルムおんじの山の家は実際に見た家がモデルだとか。
 オープニングのハイジとペーターが躍るシーンはなかなか表現ができなくて、実際に宮崎さんと高畑さんが躍ったシーンを参考にアニメの絵を描いたのだそうです。
 主題歌に入っているヨーデルは、取材の時に聞いたグループを気に入って日本まで来てもらい録音したという話もありました。
 そしてキリスト教色が排除された理由も書いてありました。
 日本ではキリスト教の文化がないので、原作通りやろうとするとキリスト教を説明する必要が出てくる。子供が楽しむアニメで説明はしたくないという事でキリスト教の話を抜くという事になったのだそうです。かろうじて出てくるのは、デルフリ村の牧師さんと、ハイジがフランクフルトのゼーゼマン家に行ったときに洗礼名を聞かれることくらいでしょうか。
 ヤギの名前も日本人にわかるように変更されていましたね。そうそう、原作にはセントバーナード犬が登場しないのでした。
 とはいえ、幼少期に見た印象は大きなもので、今でも好きな作品の一つであることに変わりません。

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